授業成果展示|芸術文化研究A(空間とメディア)Where Objects Drift── 漂流するかたち

芸術文化学科 3年次選択必修科目 芸術文化研究A(空間とメディア)

Where Objects Drift── 漂流するかたち


会期:2026年7月9日(木)〜7月12日(日)9:00~18:00、最終日は9:00-17:00閉廊
会場:武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス 14号館B1F ギャラリー
私たちの身のまわりの空間は、どのような「カタチ」によって形づくられているのでしょうか。壁や床といった建築だけでなく、椅子やテーブルなどの家具は、私たちの身体の動きやふるまい、人との距離感、そこで生まれる関係性を静かに形づくっています。普段何気なく使っているそれらの「カタチ」には、空間や行為のあり方をめぐる多くの問いが潜んでいます。

本展では、イタリアのデザイナー Enzo Mari の《Sedia 1》を起点に、「漂流(Drift)」をテーマとして制作に取り組みました。家具を固定された機能をもつ道具としてではなく、身体や環境、文化との相互作用のなかで意味や役割を変え続ける存在として捉え直し、椅子という既存のカテゴリーを超えて、人と空間の新たな関係を探っています。

ここでいう「漂流」とは、単なる移動ではありません。オブジェクトが固定された意味や形態から少しずつ離れ、土地や素材、身体、文化、使用環境といったローカルな条件との関わりのなかで変化し、新たな行為や関係性を生み出していく状態を指します。重要なのは完成された形を目指すことではなく、どのような環境や身体がその形を導き、その結果としてどのような「場」が立ち上がるのかを考え続けることです。

こうした視点は、Enzo Mariが提唱した「progettazione(構想としての設計)」にも通じています。ものづくりを単なる造形ではなく、人や社会との関係を組み替える実践として捉え、《Sedia 1》を手がかりに、それぞれが独自の問いを見出し、実寸のプロトタイプとして具体化しました。

ここに展示されているのは完成された作品ではなく、「問いのかたち」であり、「関係をつくる装置」です。作品のそばに置かれたプロジェクトブックには、それぞれの思考や試行錯誤のプロセスが記されています。作品とあわせてご覧いただき、この展示での出会いが、身のまわりの空間や家具、そして人との関係をあらためて見つめ直すきっかけとなれば幸いです。

メンバー

安西 諒、大野 栞、キム ハビン、川口 葉乃夏、後藤 瑛大、櫻井 暖人、榊 凌大、椎名 厚太、白岩 芽生、中島 感、花崎 眞、廣野 大地、筒井 七夏海、寺地 鴎、利川 花菜、中澤 美深、濱本 明香、パク イェリム、吉田 彩花、森 快嗣、吉田 鼓、増田 玲希、山内 一、山本 紗良(50音順)

展示チーム

安西 諒、大野 栞、白岩 芽生、筒井 七夏海、寺地 鴎、パク イェリム、山本 紗良

展示設営

安西 諒、大野 栞、川口 葉乃夏、白岩 芽生、筒井 七夏海、寺地 鴎、パク イェリム、森 快嗣、山本 紗良

ポスターデザイン

筒井 七夏海(芸術文化学科3年)

SA

木本 一誠、下中 こはる

担当教員

担当教員:佐々木一晋

Next
MUSABI 100武蔵野美術大学 旅するムサビプロジェクトカルチャーパワー